スローガン
実行有言
〜希望満ち溢れる未来を共創しよう〜
はじめに
私は2018年まで10年間福祉施設に勤めていました。中高生の福祉体験学習やインターンシップの受け入れ窓口として、オリエンテーションや活動の総括を行っていました。その際、こどもたちに必ず話していたことは、自分たちが住む地域のことです。
・事故や病気、災害など自分の身に何か起きたとき、この地域で安心して自分らしく暮らしていけますか。自分の家族、将来のこどもはどうでしょうか。
・この地域には、どんな人が暮らしているのか、どんな暮らしぶりなのか、自分が住んでいる地域に少し目を向けてみましょう。
私は、2014年に猪苗代青年会議所(JCI猪苗代)に入会しました。今も昔も変わらないことは、この地域に住み暮らす人が「ここに住んでいて良かったと思える地域」にしていきたいという思いです。青年会議所(JC)を通して変わったことは、地域の未来に対して責任を持ち、「ここに住んでいて良かったと思える地域」にするべく自らが行動するということです。
私たちが活動する磐梯高原エリア(猪苗代町・磐梯町・北塩原村)は、2045年には高齢化率44.23%になると推計されており、共同生活の維持が困難な「限界自治体」になりつつあります。また、世界経済フォーラムでは、2020年生まれのこどもたちは、祖父母世代と比べ、洪水に見舞われる回数が2.8倍、猛暑を経験する回数が6.8倍であることが報告されています。「地球はこどもたちから借りもの」というネイティブ・アメリカンの諺があります。今の地域の姿は、私たちの選択の結果であり、私たちの責任です。私はひとりの親として、こどもたちの未来に不安を感じます。
一方で、先日政府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針)」では、成長戦略の柱の一つとして、地方経済・雇用を支える「観光立国の復活」が示され、人口減少が進む中、観光等を通し交流人口を拡大させることで、地域の活力を取り戻し、地方創生を図るとしています。さらに、コロナ禍での地域への関心の高まりは、自然やアクティビティ、文化の体験に向かう人の流れを創出し、観光スタイルを変化させ、「自然観光」に注目が集まっています。磐梯高原エリアは、磐梯山・猪苗代湖を象徴とする磐梯朝日国立公園が広がり、豊富な資源を生かした多様なアクティビティがあり、まさに今、その大きなポテンシャルを発揮できる時宜であると言えます。
そして、2023年は創立45周年、第53回福島ブロック大会主管を担い、このエリアに注目が集まります。私たち青年が描く地域の未来、可能性と価値を示し、この磐梯高原エリアから希望を与えていきましょう。
会員拡大と組織としての成長|組織拡大委員会
地域資源を利活用し、新たな価値を生み出し、地域を活性化していくためには、個の成長が必要不可欠です。私は、JC最大の価値は、ネットワークスケールと実践的に知識と経験を得られることだと考えています。有意義な学びが得られ、影響力のある仲間がいる組織には、自然と人が集まります。JCI猪苗代もそんな組織にしていかなければなりません。
私は、会員拡大には、増員だけでなく「個の成長」の意味があると考えます。この会員拡大に、組織の成長(チームへの発展)がかけ合わさることで「組織拡大」がなされます。
竹は、次の成長の土台となる節があるからこそ短期間で大きく成長することができます。2023年は、JCI猪苗代創立45周年という節目の年です。JCI猪苗代がこれまで何をなしてきたのか、そして、どんな地域の姿を描き、これから何をなすのか、その意義を広く内外に謳い、組織拡大を図る好機です。
最先端の学びと経験を得られる組織であるために、会員を拡大し組織を成長させることで、組織拡大を図ります。
リジェネレーションと価値共創|価値共創委員会
磐梯高原エリアの主産業の一つである観光は、日本の成長戦略の柱であり、地方創生の切り札とされています。アフターコロナを見据えて注目を集めているのが、国立公園をナショナルパークとしてのブランド化を図ることを目標とした「国立公園満喫プロジェクト」を始めとする「自然観光」です。
また、世界では、サステナブル(持続可能性)の先にある「リジェネラティブ(回復・再生)」、つまり、現状を悪化させないだけでなく、環境にとってプラスになるよう前進するというフェーズへと移行してきており、その概念がビジネスにも取り入れられてきています。
磐梯高原エリアは、正に時代のニーズに即した資源に溢れています。よく資源は「モノ」「ヒト」「コト」と表現されます。「モノ」を放置したままでは恵みを得ることはできません。「モノ」に「ヒト」の手が加えられることで価値ある「コト」が生まれます。「ヒト」がどんな価値観を持つかがまちづくりを左右します。第53回福島ブロック大会は、新しい価値観を提唱するチャンスであると考えます。
こどもたちに恵みに満ちた豊かな環境を繋ぐため、リジェネラティブの価値観を広げていくことで、価値共創を図ります。
盤石な組織形成とブランディング|総務PR委員会
扇の骨を「メンバー」、扇面を「組織力」、巻き起こす風を「運動」と例えると、総会を始めとするJCI猪苗代の節目となる重要な会議を担う総務は、扇の要であると言えます。扇面がいくら大きくても、要が堅固でなければ大きな風を起こすことはできません。
地域には様々なステークホルダーがいます。私たちの目的を達成するためには、彼らと良好な関係を築かなければなりません。PRとは、Public Relationsの略であり、「Relations」とあるように、組織の一方的な情報発信にとどまらず、「組織と一市民とのより良い関係づくり」を意味します。望ましい関係を構築するためには、私たちはどんな組織で、地域にとってどんな存在でありたいのかを明確にした上で、情報や意見を双方向に伝え受け入れる必要があります。これは、正にブランディングです。
組織としての訴求力・求心力を高めるために、足場を固め、地域とのより良い関係を構築することで、JCI猪苗代のブランドを確立します。
おわりに
実行有言。これは、出光興産創業者出光佐三の言葉で、「実行し、人に示唆を与えなさい」との教えです。理屈ばかりで実行しない「有言不実行」では何も変わりません。黙って実行する「不言実行」では不十分です。JCメンバーは、JCI Missionにあるように、若者に変化を起こす力を与えなければなりません。JCI Visionにあるように、アクティブシチズン(行動する市民)として、自ら目標を見つけ、その達成のために努力し、他の人をアクティブシチズンに変えていく、アクティブシチズンシップの輪を広げていくのがJCです。
創立45周年、第53回福島ブロック大会主管を担う2023年は、個人にとっても組織にとっても負荷のかかる1年です。不安もあるでしょう。しかし、私たちなら大丈夫です。必ずやり遂げることができます。実行有言。他の誰でもなく私たちが希望に満ち溢れた明るい未来を想像し、共に創り上げていきましょう。一つひとつ実現し、この磐梯高原エリアから未来は明るく、希望に満ちているということを示していきましょう。大丈夫、私たちなら必ずできます。